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木材の達人「コラム」

国産材で家を建てる

木造住宅は都会の森林
いまや世界中で地球環境の危機が叫ばれ、緑の大切さとエコロジーを意識した暮らし方が求められている時代になりつつあります。
木造住宅を建てることは、大量の木材の使用につながり、木の家に住むということは森林伐採につながって森の破壊をしてしまうことになると考えられますが、木の家を建てることは森林を守ることにつながり、地球環境にも貢献できます。木や植物は葉から炭酸ガスを吸い、根からは水分を吸って、太陽エネルギーによって体を成長させています。大気中の炭酸ガスは光合成によって樹木に取り込まれ、炭素として固定されます。これは「炭酸ガスの固定化」と言われる働きで、木材は大気中の炭酸ガスを炭素化合物として固定化したものと言えます。 環境問題の中でも深刻と言われる地球温暖化現象の大きな原因の一つは、炭酸ガス排出量の増加です。木材はこの炭酸ガスを大気中から吸収し、固定化することで、炭酸ガスを減らしています。そして、伐採後も炭酸ガスは固定化されたままです。
東京大学教授の有馬孝禮先生は「木造住宅」を〔都市の森林〕と言われております。なぜなら、炭酸ガスを吸った森林を、都市に移したものとみることが出来るからです。建築素材となった木材は、もう炭素を吸ってはくれませんが、それを燃やしてしまわない限り、炭酸ガスは蓄えたままです。
木材は無限の再生資源
日本の森林をみると、天然林と人工林に分けられます。天然林は人の手が入らず、手つかずのまま残すべき自然であり、人工林は人間が資源として植林などして人の手を入れた森林で、これらは私たちの暮らしと共存させながら、有効に活用していかなければなりません。
炭酸ガスを吸収し、酸素を排出する光合成は、樹齢50年から60年でピークを迎え、100年を超えるとほとんどこの作用が無くなると言われています。十分に成長した木は伐採し、新たに若い木を植林して育てることで森林全体の炭酸ガスの吸収能力を高める必要があります。
やみくもに「木を伐採するな」というのは、われわれの生活に必要な資源の問題を無視したことになります。人工林を活性化させ、大気中の炭酸ガスを減らすためにも、木材資源を積極的に有効活用する必要があります。鉄などの鉱物資源は確実に減り続けていますが、木材は育てる努力を忘れなければ、無限の再生可能な資源になります。それには国産材を活用しながら、植林を怠らないことが大切な要件であります。しかし、戦後植林された国内各地の森林が伐採期を迎えていますが、活用するに至っていません。木は太陽エネルギーの最も優れた有効利用であり、リサイクルできる森林資源です。
エネルギー消費でも環境優等生
木造住宅とエコロジーの問題を考えた場合、もう一つ見落とせないポイントがあります。それは、建築材料をつくるために必要なエネルギー量のことです。
木材と鋼材、アルミニウム、コンクリートなどを比較した場合、素材を加工して建築材料を製造するまでに消費するエネルギーが、極端ともいえるほど異なっているからです。この消費エネルギーとは、下の図のように各建築素材をつくるために必要なエネルギー量を、化石燃料に換算して大気中への炭素の放出量を示しています。これによれば、1トンの木材を生産するのに天然乾燥であれば、炭素に換算して30kgを放出していますが、鋼材ではその23倍、アルミニウムは290倍、コンクリートは1.6倍になっています。いずれにしても、木材に代わる他の建築材料を使えば、地球環境への影響は極めて大きいことを示しています。これらの材料を用いて、延べ床面積136㎡の平均的な住宅を建築する場合の主要構成材料の炭素放出量を比較すると、木造住宅では一戸あたり5,140kgあるのに対し、鉄筋コンクリート造住宅では21,814kg(木造の4.24倍)、鉄筋プレハブ造住宅では14,743kg(木造の2.87倍)もの炭素が放出されます。木造住宅がいかに地球環境にやさしい住宅かが分かります。